simplelog.me

ミニマリストの暮らしログ「シンプルログ ドット ミー」

『13歳からの地政学』書評。大人こそ読んだほうがいい名著【感想文】

※このサイトはPRを含みます

 

 

13歳からの地政学の表紙

見える…見えるぞ…!

 

来年あたり、NHKでドラマ化される姿が!

 

この本はいろんなメディアに展開して、たくさんの人に知ってほしいと思わされる一冊でした。

 

「地政学」とは世界の国々を地理的な条件で見ていく学問ですが、とりあえずこの本を読む上では、これは「世界情勢」の話だと理解すればよいと思います。

 

世界の争いや不平等、環境やエネルギーについて学ぶことができる内容です。

 

大人でもとっつきにくいそれらを、13歳でも理解しやすいように小説として学べるのが本書。

 

正直言って、30代男性のわたしも知らないことがけっこう書いてありました。

 

地政学はむずかしい。

 

でも知らないと恥ずかしい。

 

だから、ついつい知ったかぶりしてしまう分野ですよね。

 

特にわたしぐらいの年齢になると、ついつい年下に知った風なクチをききがち。

 

恥をかく前にこの本を読んでおいて良かったです(笑)

 

関連記事:読書感想文が書けない?さっさと書くコツはふたつ。プロが解説

謎の人物「カイゾク」との談義

とあるアンティークショップを営む「カイゾク」という人物。

 

カイゾクというだけに、片目に眼帯をした男です。

 

カイゾクのアンティークショップに飾られた古い地球儀に魅せられて、主人公の大樹(高校1年生)と妹の杏(中学1年生)がお店に足を踏み入れるところから物語ははじまります。

 

地球儀が欲しくなった大樹と杏にカイゾクが持ちかけたのが「7日間、カイゾクの話を聴き、最終日のテストに合格したらタダで地球儀をあげる」という話でした。

 

その7日間の講義が、地政学だというわけです。

ちいさなことからコツコツと

この本を通じて、読者も大樹と杏と一緒に世界にはたくさんの問題があることを知ります。

 

最終的にその問題を解決していくには、好奇心対話が重要だとカイゾクは言います。

 

これってあんがい、ありふれていて、つまらない結論に感じませんか?

 

しかしわたしはコロナ禍を経て、ひとりひとりのちいさな行いが世界を良くするのだと思うようになりました。

 

ウィルスは、物事がわたしひとりひとりを経由して蔓延していくことをハッキリと示しました。

 

その上で、オミクロン株以前の日本のように、ひとりひとりがマスクやソーシャルディスタンスなどの対策をとることで、感染者数を相対的に少なく抑えることができることも教えてくれました。(オミクロンによってその努力の閾値地は超えてしまいましたが)

 

このことから、コロナウィルスは、

  1. 世界は繋がっている
  2. ひとりひとりの行動が大きな結果につながる

ことを証明したように思うのです。

 

つまりそれは、ひとりひとりの努力によって、逆に「善いウィルス」も広められるということ。

 

それってなんだか綺麗事にも聞こえます。

 

でもその綺麗事がハッキリとした事実だとしたら、それに立ち向かわないわけにはいかないでしょう。

 

わたしたちは「ちいさな行いで世界は変わる」と言われても、その途方もなさ、そのめんどくささに負けて、何も行動を起こすことができません。

 

特に地政学のような複雑な問題ほど、人はだれかを悪者に仕立て上げ、かんたんに、おおざっぱに解決しようとしがちです。

 

しかし本書を読めば、本質的に複雑な問題こそ、解決するには継続的な努力が必要だとわかります。

 

いい歳の大人になったら、そろそろその事実に向き合わなければいけないのではないでしょうか。

 

複雑な問題こそ、ちいさな努力を続けることでしか解決しないことを。

 

「風が吹けば桶屋が儲かる」とか、さいきんだと「バタフライエフェクト」なんて言い方もしますよね。

 

わたしも良い世界に貢献するために、じぶんができるちいさなことをやっていきたいと思います。

 

まずはスーパーで倒れた自転車を見つけたら、なおすところから(笑)

本書をすでに読まれた方は、ほぼ日に掲載されている著者の田中考幸さんの記事もおすすめです。

 

新聞記者の田中浩章さんと糸井重里さんとの座談会になっています。

 

関連サイト:新聞記者たちの、雑談。 | 高井浩章✕田中孝幸 | ほぼ日刊イトイ新聞

 

 

今日のあとがき

3月9日

楽しさの次元がひとつ上がった気がする。よしよし。

  

TOPへ戻る

  

プライバシー・ポリシー    Copyright © 2022 simplelog.me