「CAFICT」というYouTubeチャンネルで人気のくぼた まりこさんの著書です。
その名の通り、コーヒーのある暮らしを紹介しています。
コーヒーの本といえば、ほとんどがマニアックな内容で器具や抽出について小難しい知識がならぶものが多い。
しかしこの本は、あくまで素人目線を大事にしています。
マニアックな本も、それはそれでもちろん楽しいのですが、コーヒーの楽しさは「幅の広さ」ですよね。
ある人にとっては癒やしのアイテム。
ある人にはとっては、「さぁ!仕事しよう!」というスイッチを入れる栄養ドリンク。
またある人にとっては、ラグジュアリーな高級コーヒーこそコーヒーであったり。
その多様なコーヒー文化のなかで、特に本という媒体を見回すと、意外とCAFICTのようなポジションはこれまでなかったと思います。
良い時間をくれる本
特徴的なのがその構成です。
冒頭は「コーヒーのある毎日」という短いエッセイからスタート。
「〇〇な日」というテーマを受けて、その日はどんなコーヒーを飲むのか?
軽快でやさしい文章で綴られています。
とりあえず「知識」は後回し。
まずはコーヒーを楽しむ「時間」から紹介するその構成に、この本の主張が込められている気がします。
大人になると「花鳥風月」を親しむようになると言いますよね。
花の色、鳥の鳴き声、風のやわらかさ、月の光がしみじみと好きになる。
それは知識で物事を楽しむことではく、感覚で楽しむことです。
まさに冒頭のエッセイはコーヒーを「花鳥風月」のように楽しむことを教えてくれます。
本でもネットでも、今「知識」が溢れる世界でわたしたちは消耗している。
そんな時代、コーヒーを飲むことでそっとその世界から離れられることは、コーヒーの素晴らしさのひとつであるような気がします。
クリエイティブに溢れた著者
この本がすごいと思ったのは、文章のみならず写真も著者のくぼた まりこさんの撮影だということ。
本になると、写真ってクオリティの差異が顕著になりますよね。
ブログやYouTubeではごまかしが効いても本となると粗が目立っちゃう。
しかしこの本の写真たちは、プロフォトグラファーが撮影した他の本の写真に引けを取らないと思いました。
文章を書き、写真も上手。
そしてYouTube動画も素晴らしい。
そのあふれる才能は、わたしもクリエイターの端くれとして素直に尊敬します。
コーヒーのある暮らしは、これからもずっと続いていく。
くぼたさんは、きっとこれからもその暮らしをわたしたちに届けてくれるのだろうなぁと思います。
わたしも趣味をともにする仲間として、その作品を楽しみに待とうと思います。
最初に言ったとおり、コーヒー文化は「幅の広さ」がおもしろい。
だから日常の中で「どれをどのくらい幅を持つのか?」は人それぞれです。
個性が出ておもしろいその部分は、しかし意外と語られることがありません。
コーヒー好きがどんな風にコーヒーを楽しんでいるか?
気になる方はぜひ読んでみてください。
その他、おすすめの暮らしの本
その他、いろいろな「暮らし」に関する本も紹介しています!(ミニマリスト以外の本もあります)
インテリア、空間づくりはもちろん、お金や健康に関することまで。
生活全般を向上させたいなと考えている人は、ぜひチェックしてみて下さい。
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