静慈彰さんというお坊さんの本を読みました。
なんと車一台を我が家とし、日本全国を旅しながら生活する変わった暮らしを紹介しています。
- なるべく働かず
- 人とも関わらず
- 自由にいきる
ということを大事にしているライフスタイルです。
わたしはこの手の本が大好き(笑)
本の概要と読んでみた感想をご紹介します!
『社会不適合僧侶の究極ミニマル生活 くるま暮らし。』とは?
その名のとおりの車上生活のレポートなのですが、前半部分は肝心かなめの車をDIYで作り上げていく過程と、完成後の具体的な生活風景が紹介されています。
中古車を30万円で購入し、断熱、収納、ベッドを頭をひねりながら作っていく。
そのワクワク感は男子ならわかってくれると思います。
夏はサーフィンを思いっきり楽しんでいることなど、さながらアメリカのロードムービーのような楽しさがくるま暮らしにはあるようです。
逆に不便な部分も紹介されています。
車ですから、トイレに風呂はありません。
できる料理も限られていますよね。
そのへんをどのように解決しているのかも見どころの1つです。
職務質問について書かれた部分はおもしろかったですね(笑)
思いの外、脅迫的に警官が迫ってくるんだなぁとびっくりしました。
後半は静慈彰さんが「くるま暮らし」を始めた理由・動機が書かれています。
ボリューム的にはこちらがメインで、10代から人生をふりかえりながらくるま暮らしへと至る道を紹介されています。
前半の楽しさとは打って変わって、こちらは暗い部分も惜しげもなく紹介されています。
っというのか、ここまで自己批判・自己否定をしっかりしている文章は久しぶりに読みました(笑)
ライフスタイルを紹介する本は得てして、キラキラした内容ですよね。
苦労話が登場してもそれはあくまで「成功への布石」として語られることがほとんどです。
ところが、静慈彰さんは"最低"な自分を惜しげもなく表現しています。
そしてくるま暮らし自体も別に成功でもないし、安易に人に勧められないとも語っています。
衝動的に行動するその姿はたしかに周りの人に迷惑をかけただろうなぁと想像しました。
しかし、だからこそ「くるま暮らし」に関する情報は信頼できるような気がします。
正直であられもないその姿に強い共感を抱く人もいるでしょう。
ちなみに静慈彰さんはどっぶりロックにハマっていたらしく、バンドマンだったわたしもとても共感しました(笑)
再現性は低いものの、参考にできる部分は多い
くるま暮らしによって、
- なるべく働かず
- 人とも関わらず
- 自由にいきる
ことを可能にした静慈彰さん。
そのライフスタイルに憧れ、自分もやってみたいという人は多いと思います。(っというかそうゆう人がこの記事読んでるのでは)
ただ、『くるま暮らし』に関しては色んな「働かない生き方」の中でも再現度は低めの方かなと思います。
まずハードルの1つとなるのが、仕事ですね。
静慈彰さんは"派遣のお坊さん"という働き方をしていて、日本中呼ばれたらどこへでも行かれる住職です。
一般にスケジュールを自分がコントロールできる仕事はそう多くはありません。
なにかしらの自営業で生計を立てるスキルが必要というハードルがまずあるでしょう。
また「くるま暮らし」の場合、住所(住民票)の問題がついてまわります。
私書箱では受け取れない重要な郵便物などがあるため、住所が必要になります。
静慈彰さんは友人に郵便物を受け取ってもらうことで解決しているそうです。
また住民票が取得できなければ、保険証も受け取れず、仕事もできないことがほとんどです。
住民票を取得するにはどこかに住所を置く必要があるので、やはり家が必要になる。
本の中では住民票について言及されていませんでしたが、静慈彰さんはおそらく実家に住所を置いているのではないかと思います。
30万円の中古車を買って、DIYで改造して始められる「くるま暮らし」ですが、
- 仕事
- 住所(住民票)
という2つのハードルをクリアするのはなかなか難しいですよね。
くるま暮らし特有のメリットである「旅(移動できる)」といったメリットにとりたてて魅力を感じていないのなら、他の「働かない生き方」の方が再現性が高いでしょう。
とは言え、読み物としてかなりおもしろかったので、絶賛働きたくないみなさんには一度読んでみるのをおすすめします(笑)
この本を読んだらこれも
働かない生き方に興味がある方のために他の本も紹介しています。
ぜひ合わせて読んでみて下さい。
くるま暮らしを含めて、全ての本に共通するのが「欲しいモノではなく、必要なモノを見極める」という考え方ですね。
これは一朝一夕で見につくものではないので、以上で紹介したようなテーマが似ている本を定期的に読むのをおすすめします。