主に北海道で展開する本屋さん「コーチャンフォー」の新しい店舗が茨城県つくば市にできたということで、行ってきました!
コーチャンフォーは本以外にも雑貨もあつかう「複合書店」で、特徴はその巨大さだとか。
実際に足を運んでみたら、その巨大さにほんとびっくり!
ワンフロアぶち抜き!
ちょっとあまりにデカすぎて、お店の外観を撮影できませんでした(笑)
「複合書店」というと、東京に住んでいるわたしはやっぱり蔦屋書店(蔦屋家電、T-SITE)を想像します。
蔦屋はだいたい1F〜3Fぐらいまであって、雑貨と本がランダムに並び、ちょっと高級感がある。
しかしコーチャンフォーはその逆(逆?)と言った感じの店作り!
まず超がつくほど広大なワンフロアなんです。
2Fの駐車場に乗り付ければ、まったく階段も段差もなく入店でき、もちろん店内に段差はない。
広い通路に広大な平面。
ベビーカーや杖を必要とする人も、これなら楽に本を物色できると思います。
そしてワンフロアだと、どこに何があるか、すぐに把握しやすいですね。
本の他に、雑貨、物産展、CD・DVD、ドトールとコーナーがありますけど、ちょっと歩くと頭のなかにパッと案内図が浮かびやすい。
たぶん入り口がひとつだからというのも、あると思います。
だから広大なのに、迷わない。
トイレも入口付近にあるので見つけやすい。
例えば家族でお店にきたなら「30分後に入り口集合」と決めて、それぞれで物色。
そんな使い方がスムーズにできるようなお店になっていました。
10万冊!
そんな店作りのせいか、入り口はいってすぐの本棚は絵本や児童書。
やはり家族(老若男女)が足を運びやすい店作りになっていることがうかがえます。
そしておもしろかったのはランキングコーナー。
だいたいどのジャンルのランキングも70位ぐらいまであった!
国内文庫のジャンルはなんと174位まで(笑)
街の本屋にそこまでの蔵書はないし、Amazonでもさすがに170までさかのぼってランキングみないですよね。
全体の蔵書は約10万冊だそうです。
それだけの本がワンフロアに詰まっていると思うと、なんとも豪快。
アルゴリズムの外側へ
Amazonのランキングはある意味で形骸化しています。
っというのも、ランキングをハックする商売がもう確立しているので。
ネット上でファンコミュニティを形成した著者が、ファンを「動員」することで、ランキング上位を占拠。
そしてその実績でもって「Amazonカテゴリーランキング1位!」の帯がつき、街の本屋に平積みされる。
よく見ると「小カテゴリーのデイリーランキングの1位」だったりするんですけどね(笑)
インターネットの世界では、ある一定の基準でコンテンツ(本)がレコメンドされる仕組みを採用しているサービスが多いです。
そのある一定の基準のことを「アルゴリズム」と言うわけですが、今や多くの本屋がAmazonのアルゴリズムに飲み込まれています。
アルゴリズムはあくまで「一定の基準」なので、そこに評価された本が必ずしもじぶんにとって有用なわけでもないんですね。
ところが本屋がそのアルゴリズムに飲み込まれる以上、わたしたち読者はアルゴリズムの外側で本を選ぶのがむずかしくなっています。
アルゴリズムから逃れるためには、ひとつは個人が経営している「インディーズ系本屋」に足を運ぶ手段があるでしょう。
東京だと小さくても、こだわった選書で人気を博している本屋さんがけっこうありますよね。
ところがその小ささゆえに、どうしてもお客さんを選びます。
ちょっとオシャレすぎたり、マニアック過ぎたり、子連れで入れる物理的空間がなかったり。
インディーズ本屋さんはいろんな意味で敷居が高い。(その敷居を差別化要因として経営しているわけですが)
そんな視点でコーチャンフォーをみた時、第三の選択肢としてとても良いものだと思いました。
もちろん、コーチャンフォーにもAmazonで人気の本がたくさんあります。
しかし入り口から奥へ奥へと進めば、そのジャンルごとに専門店に負けず劣らずの本がいっぱい。
店員さんのポップもないので、漠然と並べられたたくさんの本の中から、純粋なじぶんの興味関心で持って本を選ぶことができる。
その体験はなんだか新鮮でした。
実はわたしはAmazonのアルゴリズムにも、インディーズ系本屋の口数の多さにも、ちょっと疲れていたんです。
それが嫌いとかではなく、ただもう少し自由に本を選んでみたい、出会ってみたい。
そんな思いでいた時、ふとしたきっかけで足を運んだコーチャンフォーがとてもおもしろかった。
本屋が斜陽だと言われて久しいこの時代に、このような大胆な店作りをする企業がいることが興味深いし、うれしいですね。
わたしがお金持ちだったら、思わずコーチャンフォーの株を買ってしまいそう(笑)
しかしそのぐらい感心しました。
つくば市は全国でも珍しく、子どもが増えていると言います。
そんな土地で、子どもたちがたくさん本に触れられるお店ができたことは、とてもかけがえのないことじゃないかと。
アルゴリズムや書店員さんのおすすめといった「流れ」の中で、わたしたちは本に出会います。(それも良いんだけど、重ねがさね)
けれどたまにはその流れから抜け出して、あくまで自由に本の海を泳ぐ。
そしてそこはわたしだけでなく、老若男女、誰にとって泳ぎやすい海でした。
東京にもあった
つくばから帰って改めてコーチャンフォーについて調べてみたら、東京は稲城市にもあるんですね!
自宅から行けない距離じゃないので、そこから行けばよかった(笑)
もし機会があったら、ぜひ足を運んでみてください!
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