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大原扁理さん『いま、台湾で隠居してます』を読んだ感想。台湾に行きたくなる…!

『いま、台湾で隠居してます』の表紙

大原扁理さんの本は全て読んでいます。

2020/12/13に新刊『いま、台湾で隠居してます』が発売され、さっそく読んだのでご紹介します!

 

わたしはファンなので、ひいき目でしかないのですが、きっとこのブログを読んでいる人には気に入ってもらえる本だと思います。

大原扁理さんとは?隠居です

まず著者の大原扁理さんとは何者なのか?というと、「隠居」をやられている方です。

隠居とはつまり必要以上に働かず、世間とは少し距離を取りながらも、経済的にも精神的のも自立した生き方をすること。

 

大原さんは20代にしてそんな隠居スタイルを確立しました。

これまでの書籍では、東京で隠居に至るまでの家庭やその生活ぶりを公開したものでした。

関連記事:『20代で隠居(思い立ったら隠居)』書評。この本はわたしの人生の土台

 

東京隠居暮らしも6年になり、新しいチャレンジ。

それはまさかの台湾移住!

新刊『いま、台湾で隠居してます』はその名の通り、台湾でもあまり働かない隠居暮らしができるのか?という実践レポートになっています。 

台湾で隠居できるのか!?

結果的には台湾で隠居できたそうです。(そうじゃなきゃ本出ないのよねw)

「本の印税は使わない」という縛りを儲け、あくまで東京での隠居生活をトレースするかたちで挑戦はスタート。

 

移住費用は30万円足らずで、渡航前に諸々の費用がかかったので、台湾に着いた時点で手にしていたお金は20万円足らずだったとか。

しかし、それでも生活を作っていけるんですね。

当たり前にトラブルや困難に出くわすんですが、それをアイディアで解決したり、見てみぬふりしたり(笑)と、隠居流に乗り越えていく様はやっぱりおもしろいですね。

 

ひとつひとつのエピソードを一歩引いて俯瞰的に見れば、どれも他愛もないことかもしれません。

でもその他愛もない日常をおもしろがり、まるでエンターテインメントにしていく視点は、人生を豊かにするだろうなぁと思います。

 

後半は台湾人とのふれあいや台湾の風土の考察へと移っていきます。

端的に言えば台湾はマイノリティ(少数派)に優しい国だという感想が終始一貫しています。

マイノリティといっても色々あって、性的マイノリティや食のマイノリティ、また障がいもマイノリティのひとつとして数えられるかもしれません。

 

そのいづれにおいても台湾には居場所があるように思えたと。

そして大原さん自身も、色々なマイノリティに属する人なので、台湾にはとても居心地のよさを感じていたそうです。

 

わたしがこの本を読んで抱いた感想はふたつでした。

まずひとつは大原さんの筆の勢いが増していること!

体言止めや「!」を多用し、軽妙でリズム感の良い文体がさらに力強くなっています。

 

「イケメン」とか「ドヤ顔」とか俗っぽい言葉がけっこうな頻度で登場するのが、隠居のイメージとギャップがあってまたおもしろいですね(笑)

ご本人は隠居ゆえにあまり人と会話がなく、声に出して会話するのは苦手なよう。

その反動なのか、文章のスピード感は前著に増してすごくなっていました(笑)

 

なので、めちゃくちゃ読みやすいです。

普段本を読まない人も、ぜひ読んでみて欲しい。

わたしは大原さんの本を読むと、友達と心地よい楽しい雑談をしている感覚が思い起こされます。

それはとても楽しい時間ですよね。

 

もうひとつの感想は「日本と台湾はこれからもめちゃくちゃ仲良くした方が良いな」ということ。

現代は激しい分断の時代と言われています。

 

自由と多様性、グローバリズム。

それらは人類の豊かさに大きく貢献はしているけれど、その弊害も臨界点を迎えている。

奇しくもコロナウィルスは「自由を制限する国」の方が抑え込みに成功しており、「自由を重んじる国」ではなかなか歯止めがきかない状態になっています。

なし崩し的に「自由主義を改めよう」という言論が勢いを増しており、わたしは個人的に少し恐怖を感じます。

 

この本には、台湾の人たちの普通の会話が数多く登場します。

そこから思うに、台湾は国民が自由を熱望するかたちで現在の国の在り方が決まったように見えました。

そして自由を大事にしながらも、コロナウィルス対策では世界的にみてもトップクラスの優等生。

人口に違いがあり、いちがいに比べられないとは思うのですが、学ぶべきところはたくさんあると思いました。

 

2020年の総統選の投票率が74.9%というのも驚き。

やっぱり投票は民主主義を良くするための基本的な手段なのかなぁと思います。

「日本は総理大臣を国民が直接選挙で選べないなから、参考にならないじゃん」と思うのですが、そうとも言えない気がします。

 

わたし自身がそうなのですが、選挙権をもっている「市議会選挙」とか「都知事(県知事)選挙」などの投票を、台湾の人たちと同じ熱量でやれているかというとそうじゃないな、と思います。

台湾の人口は2,300万人。

わたしたちはそれよりも規模の小さい日本の地方選挙でもモチベーションが上がらない。

もしかしたらこの「地方選挙に行かない」という現状が、日本の民主主義の進化を遅くさせているのかもしれません。

思えば、地方議員を経て国政へと出ていく政治家も少なくないですよね。

と、すれば市政、県政の時点でしっかりした人を選び、ダメな人を落とすことの意義はかなり大きいはずです。

 

じゃあ、例えば地方選挙に興味関心を促すような「ローカルSNS」を作ったらどうだろう?

いろんな地方のいろんな規模の選挙で転用できて、炎上や過激な議論を避けられる仕組みを導入。

シンプルな情報を簡単に得られる政治のローカルSNS。

 

…と、本を読んでそんな妄想まで広がってしまったのでした。(あくまで妄想)

 

台湾に対しては以前から好感を持っていましたが、この本には親切な台湾人が数多く登場します。

だからこれからも未来永劫、日本と親友でいて欲しいと思いました(笑)

 

わたしの兄が台湾で働いているので、行こうと思えば行く機会を作れるんですよね。

コロナウィルスが落ち着いたら、ぜひとも行きたいなぁ。

その思いを強くさせてくれた本ですね。

 

何よりこの本を読んでいる時間は至福でした。

朝6時に起きて、7時に開いたばかりのカフェへ。

スマホを家に置き去りに、誰にも邪魔されずじっくりと本を読む。

午前中、4時間ほどかけて読了しました。

冬の抜けるような青空がなぜだかいつにもまして綺麗に感じられる。

 

そんな良い時間を過ごされてくれる本はめったにありません。

ぜひともおすすめしたい本です。

興味があったら読んでみて下さいね。

 

 

20代で隠居、他の本もおすすめです。

関連記事:『20代で隠居(思い立ったら隠居)』書評。この本はわたしの人生の土台

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