「ミニマリストって良いことあるの?」
「むしろ不便そう」
そんなミニマリストの正直なところを知りたい人のために、
ミニマリストのメリット、デメリット
を書きました!
この記事を書いているわたしは、自宅に人を招くと「ミニマリストだね!」と言われることが多いです。
わたし自身、そんな暮らしを気に入っており、実際にミニマリストになって気づいたことを紹介していきます。
デメリットに関しては、それは回避する、軽減する方法まで。
ミニマリストとは?
日本語で「最小限主義者」と訳すことができます。
所有するモノを最小限に減らすことで、ほんとうに大切なことに集中することを信条とするライフスタイル。
なので、志の高い経営者、研究者、芸術家、スポーツ選手などは、その生活スタイルがミニマリスト的になっていることが少なくありません。
大谷翔平選手を思い浮かべても、野球以外いっさい興味がない印象がありますよね。
あれはまさにミニマリスト的な生き方です。
また「最小限」とは、人によって違うこともミニマリストの肝。
つまり「テレビを捨てないとミニマリストではない!」とか、そういった堅苦しい定義はないんです。
ミニマリストは時に「減らす競争」だと思われますが、実際は違う。
その意味では、ミニマリストは誰にとっても肩肘張らずに挑戦してみて良いライフスタイルだと言えるでしょう。
以下からは、そんなミニマリストのメリット、デメリットを詳細に紹介していきます。
ミニマリストのメリット
探しものがなくなる
片付けが苦手な人は、ミニマリストがすごくおすすめです。
モノをすっきりとストレスなく使うには、
- 断捨離
- 整理整頓
- 片付け
の工程が欠かせません。
断捨離とは、モノを手放すこと。
整理整頓とは、モノの住所を決めること。
そして片付けとは、モノを元あった場所に戻すことです。
片付けを楽にするには、整理整頓をしっかりすべし。
整理整頓を楽にするには、断捨離してモノの絶対量を減らすべし。
つまりミニマリストなら、
- モノが少ない
- 整理整頓がラク
- 片付けがラク
となり、結果的に探しものが少なくなります。
一説によると、人は探しものに年間150時間を費やすそうです。
ゼロにはできないでしょうが、例えば50時間に減らせたならそれは丸2日人生が長くなるとも言える。
探しものが人生に与える負荷は決して小さくありません。
掃除がすぐに終わる
効率は劇的アップ!
家電は静電気でホコリを吸い寄せ、家具は空間にスキマを生むので、ホコリを溜め込みます。
だからといって家具・家電をいちいち動かして掃除できないですよね。
しかしホコリがスキマに入るということは、またスキマからホコリが供給されることを意味します。
だから掃除とは、できる限り根こそぎやらないと効果が低いんですね。
ミニマリストなら、その難儀なスキマ自体なくなる。
結果、掃除がたやすくなり、ホコリが取り払われ、清潔に暮らすことができます。
また大きな家具・家電はそれ自体が湿気を溜め込んでおり、空間の風通しも悪くします。
湿気はカビや害虫を呼び寄せる大きな原因。
その点でもミニマリストなら、安心感が強くなりますね。
引っ越しがすぐ終わる
身軽になるのも大きなメリット。
ほんとうに最小限のモノで暮らすミニマリストの中には、ホテルサブスクで暮らす人やキャンピングカーで全国行脚する人など、いわゆるアドレスホッパーもいたりします。
そこまで極端な暮らしをしなくても、誰しも経験する引っ越しが楽になるのはうれしいですよね。
基本的に荷物量に応じて料金が上がる引っ越しですから、ミニマリストの引っ越しは経済的でもあります。
ライフステージ的にもう引っ越さないと思っても、例えば単身赴任などは今後の人生であり得るかもしれない。
だとすれば赴任中だけでも、ミニマリストを意識する価値はあると思います。
時間ができる
最小限を意識すると、買い物する時にまず「必要かどうか」を考えないといけません。
その思考を繰り返しすうちに、じぶんにとって必要なものがわかるようになってきます。
結果、ムダな買い物をしなくなる。
モノは、思った以上に時間を奪います。
ここまで紹介した「片付け」「掃除」「引っ越し」の時間を増量させるのはもちろん、他にもさまざまな時間(=手間)が発生する。
まずモノを買う前の「検討する時間」
続いて「買いに行く時間」
そして「使う時間」
さらに「手入れする時間」
最後に「捨てる時間」
ていねいに紐解くと、ひとつのモノに自分の人生の時間をかなり投資しているのがわかります。
なので、たったひとつモノを減らすだけでも、かなりの時間を捻出できます。
お金が貯まる
買い物が減ればとうぜん無駄遣いも減って、お金が貯まりやすくなる。
さらに究極的に節約するには「固定費の見直し」が王道ですが、その点でもミニマリストはメリットがあります。
ミニマリストはモノが少ない=部屋が小さくてイイなので、家賃の安い部屋に引っ越すことが可能。
わたしも実際にそのように行動して、ものすごい効果だと実感しました。(一時期は家賃3,5000円のアパートに住んでいた)
実際、ちまちまと食費や光熱費を節約するより、ずっと楽ちんで貯まりやすい。
そうやって貯金額が増えれば、安心感が増えていきます。
そして貯金額以上に尊いのは、ミニマリストを志向することで少ない出費で生活を楽しめるようになったこと。
現実問題として、いくらお金が貯まろうとも浪費癖があればいつまでたっても安心に暮らすことはできません。
ミニマリスト的ライフスタイルによって毎月の家計が健全にまわりだす。
そうして生活が破綻する可能性は小さくなれば、それは将来にわたって大きな安心感をもたらすでしょう。
それは「生きていく自信」と言い変えても良いかもしれません。
夢や目標に集中できる
あえて乱暴に、
夢や目標に挫折してしまうのは、あなたがミニマリストでないからだ
と言ってしまいます。
例えばダイエットするために運動習慣が必要になったとします。
するとまずジムと契約したり、スポーツウェアを買い揃えたりする。
しかし多くの場合、それだけでは挫折します。
なぜならソファに寝転がって、テレビなりスマホを見る悪習慣があるから。
誘惑の強い悪習慣を断ち切らない限り、運動する時間は生まれません。
だとすれば、その悪習慣の元凶になっているソファなりテレビを捨ててしまうのが、いちばん効果的。
なにか夢が目標がある場合、必要な良習慣をとりいれるために、まず悪習慣を断ち切るというのはぜひ意識してほしい点です。
悪習慣は、減らすのではなく断ち切るのがむしろかんたん。
悪習慣にはえてして依存性があります。
だから「ほどほどに楽しむ」のはかえって難しい。
多くの場合、悪習慣の元凶になっているモノが存在しているはずです。
そのモノを思い切って手放す。
それつまりミニマリスト、ということになります。
やりたいことがあるとき、まず足すのではなく、引く。
目標達成にはミニマリスト的ライフスタイルと思考が大いに役立ちます。
防災になる
例えば家に本棚があったとして、その本棚が倒れないように固定するのがふつうの防災。
お察しのとおり、ミニマリストの家は本棚がない(笑)
だからそもそも本棚が倒れてくるリスクがないんですね。
地震による大きな家具の転倒が、ケガや逃げ遅れの原因になることは、もはやわたしたちの常識です。
ミニマリストは防災において大きなメリットがあるといって差し支えないでしょう。
ミニマリストのデメリット
理解されにくい
ミニマリストの楽しみは、第三者からすると直感的に理解しにくい。
「モノを減らして、何が楽しいの?」といった具合です。
ミニマリスト的ライフスタイルを続けていると、そのようなセリフを投げかけられることは「あるある」だと思います。
これがけっこう、寂しい気持ちになるものです。
交友関係が狭まった気がしたり、じぶんが偏屈な人間になったような気がしたり、ややもすれば自己嫌悪になったり。
しかし先ほどミニマリストとは、
ほんとうに大切なことに集中する
と言いました。
その大切なことが、大切な交友関係を連れてきてくれます。
じぶんの人生に欠かすことができない趣味やライフワーク。
その趣味を通じて知り合った仲間の方が、節操なく広げた交友より大事ではないでしょうか。
ミニマリストであるがゆえの人間関係のトラブルは実際あり得ます。
例えば家族に断捨離を押しつけるとか。
でもそれと同じくらい得るものがあるという現実もしっかり認識しておきたい部分です。
買い物に罪悪感を覚える
「こ、これほんとに買って良いんだろうか!?」
と、やけに重く考えてしまうことがあります(笑)
実際、原理主義的なミニマリストの中には、脱消費(いわば資本主義の否定)を掲げる人もいたります。
もちろん、そこまで行く人は稀ですが、極端な思想に誘う引力があることは認識しておくべきでしょう。(まぁ、思想は個人の自由なのですが)
何事もほどほどがいちばん。
買い物を必要十分に、それでいて楽しく、人や環境にも優しく。
極めて高い目標ですが、バランスよく買い物をたのしみたいものです。
来客に対応しにくい
イス、テーブル、食器、布団…ミニマリストはじぶんの分しか用意しないことが多いので、急な来客に上手くおもてなしできないことも。
事前に連絡しておけば、たいがいなんとかなるんですけど、本当に急なときは困りますよね。
これはやはり「程度問題」で、ホームパーティー的なイベントを大事にしている人は、それなりにモノを準備しておく必要があります。
別に「ホームパーティ好き」だからミニマリストになれないわけではありません。
ただ「ひとりが好き」な人の方が、よりミニマリストを実行しやすいのは確かだと思います。
逆にムダな時間が生まれる
モノを減らし、時間が生まれた。
その時間で何をするか?
極めて重要な問題です。
っというのも、現代ではわたしたちの手のひらに、悪習慣に誘う超強力アイテム「スマホ」があるので。
今やSNSやニュースサイトを通じて、ゴシップやワイドショーを無限に観覧することが可能になりました。
それらはかつて、1日1回のスポーツ新聞や、週に1回の写真週刊誌でしが見れませんでした。
ところが今や、まいにち世界中のゴシップを浴びるほど見れてしまう。
たとえばミニマリストになって、1日2時間の余裕を捻出できたとします。
その毎日の2時間をSNSやネットニュースに費やせば、1年後はすっかり偏屈な人間ができあがるでしょう。
ほんとうに有用な情報は、スマホの電源を切って、体を動かすことにつながる情報です。
例えば何かを勉強するための情報だったり、何かをつくるための情報。
勉強するときもつくるときも、スマホは手元から離さざるを得ない。
しかしそれでは各SNSやニュースサイトは困ってしまうんですね。
「滞在時間」や「ユーザー数」を伸ばさないと、商売にならないからです。
だからできるかぎり、無駄な情報(ゴシップ、ワイドショー)を混ぜる必然性が生じます。
つまり原則的に、
スマホから有用な情報”だけ”得るのは不可能
ということ。
これはもちろん、スマホ以外のその他のメディアでも同じかもしれません。
しかしスマホは週刊誌と違って「タダ」で「まいにち」見れます。
無料で無限のゴシップなんです。
このメカニズムは決して変わることはありません。
メディアひとつひとつが悪いのではなく、そうせざるを得ない生態系があるからです。
誰しもSNSで投稿する時、「見る人の時間を奪っているんだ」なんて実感を持ったことはほとんどないでしょう。
しかし実際には、あなたの投稿はSNSが配信する広告を友人に見せるための道具になっています。
SNSが広告ビジネスであり、広告主と株式市場に「滞在時間」と「ユーザー数」の進捗をプレゼンする必要がある限り、どうしてもこの状況は変えられない。
かつてスマホはミニマリストの味方でした。
多機能なスマホがひとつあれば、他のさまざまなモノを断捨離できるからです。
ところが今や、せっかく捻出した人生の時間を無限に吸い取ろうとする最大の敵にかわってしまった。
そしてミニマリストであっても、スマホを断捨離するのは極めてむずかしい。
スマホは電話番号だけで契約することができず、必ずインターネットとセットです。
だからスマホを持つかぎり、情報と完全に距離を置くのは困難。
さらにキャッシュレス決済やマイナンバーカードなど、生活インフラとしてスマホが前提の社会に変わっていっています。
- スマホは断捨離できない
- SNSやネットニュースは無駄な情報が必ず入る
この2つの前提があるかぎり、いくらミニマリストになって時間やお金などのメリットを享受しても、それがいっきにデメリットに変わってしまうリスクがあります。
これに対抗するには、
- スマホを手放す時間をつくる
- 夢や目標をもつ
といったことが必要です。
まずは1日数時間でも、スマホ自体から離れるのが得策。
スマホ自体を使いこなそうとすると、必ず徒労に終わります。
さっき言ったとおり、無駄な情報を織り交ぜるのがメディアの必然性。
だから「スマホを使いこなす(必要な情報だけ得る)」とは、「まいにち食べ放題ビュッフェに通いつつ、ダイエットする」ようなもの。
そもそもダイエットするなら、ビュッフェに行かないほうが何倍もかんたんですよね。
とは言え、完全にスマホ捨てるのは現実的ではないので、妥協案として数時間、家に置き去りにして外出することを提案します。
土日につい、無駄なスマホタイムを過ごしてしまう人はぜひ試してほしいです。
その上で、捻出した時間で「やりたいこと」を設定しておくのも大事になってきます。
夢や目標は、悪習慣から離れようとするエネルギーがある。
ゴシップやワイドショーから、じぶんを守る薬です。
もはやそれを達成することより、ただそこに向かうことだけでメリットなのかもしれません。
ミニマリストになる
「ミニマリストになるためのガイドブック」になる記事を書きました!
ミニマリストの定義と歴史。
ミニマリストの始め方、続け方。
そして頼れる先輩ミニマリストまで、網羅的に紹介しています。
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