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松浦弥太郎さん『着るもののきほん100』書評。服と愛の物語

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着るもののきほん100

とてもユニークな本でした。

 

大別すれば小説に属すると思います。

 

と言いつつ、著者の松浦弥太郎さんの実体験が元になっており、完全にフィクションとも言えない。

 

またこの企画自体がUNIQLOとのコラボであり、本書はUNIQLOのウェブサイトに連載されていた「Life Wear Story」をまとめたものになっています。

 

物語のなかで直接UNIQLOを説明する部分はありませんが、さり気なく服の描写が出てくる。

 

それに応じて、UNIQLOの商品の紹介が。

物語に呼応した商品紹介

やっぱり流れの中でこだわりを説明されると、すごく欲しくなりますね(笑)

 

紹介されている2017年〜2019年の連載時の情報ですが、今でもUNIQLOで買えるものがほとんどです。(後継モデル含む)

 

とは言え、この本は単なる商品カタログではありません。

服の楽しみかたは、ふたつある

ひとつはトレンドを楽しむこと。

 

ファッショントレンドには、決してとどまることなく移りゆく人間模様が表現されています。

 

その中であたらしい自分を発見したり、他人から褒められたり、逆に憧れたりすることは、とても素敵な文化です。

 

一方で、トレンドじゃない楽しみ方もある。

 

それは服に愛着を持つこと。

 

ひとつの洋服を長く着たり、同じモデルを買い直し続けたり。

 

わたしは、人間の幸せの半分は、愛着でできているように感じます。

 

人間は他人や土地、物に対して自然と愛着を持ちますよね。

 

愛着は安心になって、人の心をホッとさせます。

 

ときに変化=トレンドも大事だけど、半分は愛着を持たないと、地に足がつかない。

 

そしてUNIQLOはその愛着の文化と、極めて相性が良いでしょう。

 

UNIQLOはファストファッションにカテゴライズされますが、その実態はファストというよりスロー

 

極めて早く(ファストに)トレンドと取り入れるというより、トレンドを見極めながら、じっくりとベーシックに反映させています。

 

UNIQLOは2024年で創業40周年

 

わたしたちが子どもの頃からフリースやシャツなど、定番アイテムを研ぎ澄まし続けているブランドってなかなかありません。

 

結果、近年のUNIQLOは縫製や生地、また価格も含めて極めて高いレベルに到達しています。

 

きっと誰しも「いつの間にかこの服、3年も着てるな…」なんてUNIQLOがクローゼットにあるのではないでしょうか。

 

服に愛着をもつ楽しみ方をしたい。

 

そう思ったとき、UNIQLOは極めて現実的なブランドです。

 

品質が高いので長く着れる。

 

気に入ったモデルは翌年以降も買い直せる。

 

そして現実的に購入できる価格である。

 

「Life Wear」とは、ほんとに言い当て妙です。

 

その上で『着るもののきほん100』を見ると、この本は実際に服に愛着をもつ方法を教えてくれるようです。

 

親から受け継いだ服。

 

子どもの頃から着ている服。

 

パートナーや家族とシェアする服。

 

そんな服との付き合い方が登場して、それがなんとも幸福に思える。

 

世の中の服の情報は「愛着の持ち方」より「トレンドの楽しみ方」の方がやっぱり多いです。

 

その意味でこの本は、貴重な内容かもしれません。

 

UNIQLOや松浦弥太郎さんに興味がある人の方が楽しめる思いますが、そうでなくても興味深く読めるのではないでしょうか。

 

ストーリーとしてはわりとシンプルなラブストーリーなので、誰でも安心して読めると思います。

 

1話のボリュームも、物語のテイストも、連続テレビ小説ぐらいの感じです(笑)

 

だから1日1話を100日間かけて読むのも、なんか素敵。

 

ぜひ手にとってみてください。

 

 

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