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松浦弥太郎さん「エッセイストのように生きる」書評。とってもいい本です

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松浦弥太郎さんエッセイストのように生きるの表紙

著者の松浦弥太郎さんは雑誌「暮しの手帖」の編集長を務め、現在はエッセイストとして活躍されています。

 

本書はタイトルから想像するような、「エッセイの指南書」だとか「エッセイストになる方法」ではありません。

 

エッセイストというキーワードを元に、人生観人間観暮らしの指針を紐解いていく内容です。

 

なので、決してエッセイスト志望者だけがターゲットではないです。

 

個人的には今のメディア空間文字の世界に、なんとなく違和感を感じている人におすすめしたい1冊でした。

エッセイストのように生きる

エッセイは「秘密の告白」

本書で一貫して大事なキーワードが「秘密」です。

 

松浦さん曰く、エッセイは「秘密の告白」だと言います。

 

秘密を探し続けるのがエッセイストの生き方である。

 

そしてその好奇心ある態度は、現代を生きるわたしたちの薬なるのでは?というのが本書の主題です。

 

では、秘密とはなにか?

 

それはじぶんがたどり着いた「気づき」だったり、読者が知らないであろう「知識」や「知恵」であるでしょう。

 

しかし「気づき」「知識」「知恵」という言葉で表現すると、それはいかにも情報に偏ります。

 

エッセイは情報もほしいですが、感情感動も大切。

 

「秘密」という言葉には、情報だけでなく、そこに心が含まれているというニュアンスが多分に含まれている。

 

エッセイの定義にこの言葉を用いたのは、とても秀逸だと思います。

 

わたしはブログを書き始めてもう10年近くなりますが、いつも「お土産」になるようなブログを書けたら良いなと思っています。

 

読み終わったあと、現実世界で生きる知恵だったり勇気だったりを持ち帰ることができる。

 

そんな文章を書きたいと思うじぶんと、本書で松浦さんが提案する「秘密」はとても類似点が多いように感じました。

エッセイストはネガティブ・ケイパビリティがある人

秘密を探し続ける生き方、その態度。

 

それは考え続ける生き方だと言います。

 

本書では第3章「書くために、考える」で詳しく語られています。

 

特に「すぐに決めつけない」「わかるまで見つめ続ける」「教養の圧から抜け出す」の項はとても共感が強かった。

 

これは以前に読んだ「ネガティブ・ケイパビリティ」に通じるものがありました。

 

関連記事:帚木蓬生さんの本『ネガティブ・ケイパビリティ』書評。寛容と良心を守るために必要なこと

 

ネガティブ・ケイパビリティとは、

答えの出ない事態に耐える力

を言います。

 

答えの出ない問題は、スッキリしない心地悪さがつきまとう。

 

しかしそれに負けて安易な答えに掴まってしまうと、決して「秘密」にはたどり着けません。

 

今、ごく”ふつう”に情報空間に身をおいていると、ネガティブ・ケイパビリティを育むことはできないと言ってよいでしょう。

 

悪い意味で、ネガティブ・ケイパビリティを解消するための答え(らしきもの)が大量に流れてくるからです。

 

しかしそこは、他人への断罪しか存在しない。

 

かくして世は分断の時代と呼ばれるようになったと、わたしは考えています。

 

わたしは最近「ミニマリスト」や「ファッション」について書くことが多いですが、いかに世の中が「失敗しない方法」を求めているか、ヒシヒシと感じる毎日です。

 

とにかく早く「答え」にたどり着きたい。

 

しかし楽しさ充実感はその道程にあるので、答えをそっくりそのままインストールしても、なにか空転するような虚しさがある。

 

特にファッションなんて、失敗ありきですよね。

 

本書でも「スマホを手放す」や「同じものを何度も読む」といった、現代のライフハックとは逆に思える行動がおすすめされています。

 

これらは心と体を健全に保つには、ほんとうに大事な習慣になってくるなと感じます。

勝つ方法でも、負けない方法でもなく

多くのビジネス本が書いているのは、この社会で勝つ方法です。

 

一方、節約本が書いているのは負けない方法だと思います。

 

しかしここ最近、わたしが知りたいのは勝ち負けの概念が離れた「善く生きる方法」でした。

 

本書「エッセイストのように生きる」の内容は、善く生きる方法に非常に近いと思います。

 

こんな一文がありました。

「人生において必要以上の経済活動はしない」と決め、その道をぱっと手放すことにしたのです。

だから本書では、エッセイストとして成功することを保証する言い回しは、一切登場しません

 

「善く生きる方法」は、ともすれば「綺麗事だ」とか「役に立たない」とかで、一緒に考えてくれる人が実に少ないんですね。

 

インターネットはおろか、本の世界であってもなかなか出会えない日々がずっと続いていました。

 

例えば哲学書なんかを読めば、それは見つかるのかもしれない。

 

しかし専門的になればなるほど実生活に落とし込むのが難しくなるし、言い回しも難解になる。

 

しかし松浦さんはこの本を通じていっしょに「善く生きる方法」を考えてくれたように思います。

 

それはわたしの中でずっとくすぶっていた小さな孤独をあたためてくれる、うれしい体験でした。

 

「善く生きる」から「善い仕事」を生み出して、日々を営んでいけたら。

 

そんな風に考えるわたしにとって、今まさに必要な本でした。

 

今、文章の書き手になっている人はとても多いです。

 

その意味でも、多くの人に手にとって欲しい1冊だと思います。

 

エッセイストのように生きる

 

 

今日のあとがき

2月16日

う〜ん、引っ越すか悩む…。

  

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