イラストレータの沢野ひとしさんの著書『ジジイの片付け』を読みました。
タイトルズバリ、壮年になってからの部屋の片付け、暮らし方について綴った内容です。
ジジイの片付け
読みやすさ満点の本
この本は23篇のエッセイと19のコラムからなっています。
ひとつのエッセイは2,000字〜3,000字ぐらいで、軽快に読みすすめられました。
コラムは100字で、イラストたっぷりで楽しく演出されています。
本の大きさ、文字の大きさ、装丁、イラスト、そして内容も。
シニア世代が読みやすいように配慮されており、結果的で誰にとっても読みやすい本に仕上がっています。
ユニバーサルデザインな本ですね。
コラムの部分なんかは、コピーしてカレンダーにしたラ楽しそう。
そしたらまいにちの片付けが捗りそうな気がします(笑)
切実になる「片付け」
片付けの本は何百冊も出版されています。
その中でもこの本がユニークなのは、やはり「シニア世代むけ」という部分でしょう。
しかも「男性向け」となるとさらに珍しい。
わたしはまだ35歳の若造ですが、この本を読むと「片付け」は年齡を重ねるごとに切実な問題になっていくなだなと思います。
壮年になって片付けるモノは、ちょっとした雑貨やキッチン道具だけじゃない。
別荘や持ち家などの資産。
親子関係や夫婦関係など人間の問題。
わるいは若い頃に抱いた夢も。
さっさと片付けなければ「今、この瞬間」を楽しむのに邪魔になる。
ところが若い頃よりエネルギッシュではないので、そもそもエネルギーのいる片付けになかなか着手できない。
その悪循環に陥る前に、少しずつ片付けをはじめるべきなのでしょう。
「片付け」「断捨離」「ミニマリスト」なんて言葉は、時折「夢を叶えるためのメソッド」として語られがちです。
「やらなくても良いけど、やったほうが結果につながるよ」というニュアンスです。
しかしこの本に書かれているそれらは「やらなければならない」という差し迫った問題のように思えました。
壮年になると「片付け」はそのくらい切実な問題なんですね。
キラキラと希望に溢れた断捨離本ではないからこそ、刺さる人にはとても刺さる本ではないかと思います。
興味ある方はぜひ読んでみてください。
ジジイの片付け